
カードローンの利用において、手数料が発生するかどうかは利用する金融機関や利用方法によって大きく異なります。基本的な利息以外に、どのような手数料がかかる可能性があるのか把握しておくことが重要です。
借入時・返済時に発生する可能性がある手数料
カードローンで最も気になるのが、借入や返済の際に手数料がかかるかどうかという点です。多くの金融機関では、自社ATMからの借入・返済は手数料無料としています。ただし、提携ATMを利用する場合は異なります。
提携ATMの利用手数料は、取引金額によって変動するのが一般的です。1万円以下の取引で110円、1万円超の取引で220円という設定が標準的といえます。セブン銀行やローソン銀行などのコンビニATM、ゆうちょ銀行ATM、他行ATMなどが提携ATMに該当します。
| ATMの種類 | 借入手数料 | 返済手数料 |
|---|---|---|
| 自社ATM | 無料 | 無料 |
| 提携ATM(1万円以下) | 110円 | 110円 |
| 提携ATM(1万円超) | 220円 | 220円 |
ただし金融機関によっては、提携ATMでも月に数回まで手数料無料としているところもあります。三井住友銀行カードローンや三菱UFJ銀行のバンクイックなどは、提携コンビニATMでも手数料無料で利用できる点が特徴です。
振込による借入・返済の手数料
電話やインターネットで申し込み、指定口座への振込で借入を受ける方法もあります。この場合、多くの金融機関では振込手数料は無料です。緊急でお金が必要な時に便利な方法といえます。
一方、返済を銀行振込で行う場合は注意が必要です。振込手数料は利用者負担となるのが基本です。インターネットバンキングを利用すれば手数料を抑えられますが、窓口やATMから他行へ振込を行うと数百円の手数料がかかります。
その他の手数料が発生する場面
通常の借入・返済以外にも、特定の状況下で手数料が発生することがあります。以下のような場面に注意してください。
- 提携CD(キャッシュディスペンサー)の利用:ATMと同様に手数料が発生する可能性があります
- 繰上返済:一部の金融機関では繰上返済手数料を設定していますが、多くは無料です
- カード再発行:紛失や破損によるカード再発行には、500円から1,000円程度の手数料がかかることがあります
- 各種証明書の発行:残高証明書や取引履歴の発行に数百円の手数料がかかる場合があります
手数料を抑えるための具体的な方法

カードローンを賢く利用するには、無駄な手数料を払わないことが大切です。ちょっとした工夫で年間数千円の節約につながります。
自社ATMや手数料無料の提携ATMを優先する
最も基本的な方法は、手数料がかからないATMを利用することです。自社ATMの設置場所を事前に確認しておきましょう。スマートフォンアプリで最寄りのATMを検索できる金融機関も増えています。
自社ATMが近くにない場合でも、手数料無料の提携ATMを利用できる場合があります。契約している金融機関の公式サイトで、手数料無料で利用できるATMの一覧を確認しておくとよいでしょう。外出先で急に必要になった時のために、複数の場所を把握しておくと安心です。
口座振替による自動返済を活用する
返済方法として口座振替(自動引落し)を選択すれば、手数料はかかりません。毎月決まった日に自動的に返済されるため、手数料だけでなく返済忘れのリスクも回避できます。
給与振込口座を返済用口座に設定しておけば、残高不足の心配も軽減されます。返済日を給料日の直後に設定できる金融機関を選ぶと、さらに安心して利用できるでしょう。
インターネットバンキングを利用する
インターネットやスマートフォンアプリから返済する方法も手数料を抑える有効な手段です。24時間いつでも手続きでき、多くの金融機関では手数料無料で即座に返済が反映されます。
また、インターネットバンキングなら借入の際も手数料無料で口座に振り込まれます。深夜や早朝でも手続きできるため、時間を有効に使えるメリットもあります。
金融機関別の手数料比較と選び方のポイント
カードローンを選ぶ際、金利だけでなく手数料体系も重要な判断材料となります。頻繁に利用する可能性がある方は、特に注目すべき点です。
銀行系カードローンの手数料体系
銀行系カードローンは、提携ATMが多く利便性が高い点が特徴です。メガバンクのカードローンでは、自社ATMだけでなく提携コンビニATMも手数料無料で利用できることが多く、全国どこでも気軽に利用できます。
地方銀行のカードローンは、地域内であれば利用しやすいATMネットワークを持っています。ただし、他地域に転勤や引越しをする可能性がある方は、全国展開している金融機関を選んだほうが無難でしょう。
消費者金融系カードローンの手数料体系
大手消費者金融のカードローンも、自社ATMでは手数料無料が基本です。提携ATMの利用には手数料がかかる場合が多いものの、インターネットやアプリからの借入・返済は手数料無料となっている会社がほとんどです。
スマートフォンアプリの機能が充実している点も消費者金融系の特徴です。アプリから即座に借入申込ができ、登録口座への振込も手数料無料で対応している会社が多く見られます。
手数料以外にも注目すべき比較ポイント
手数料だけで金融機関を選ぶのではなく、総合的に判断することが大切です。以下のポイントも併せて検討しましょう。
- 金利:手数料を節約しても、金利が高ければ総返済額は増えてしまいます
- 利用限度額:自分に必要な金額を借りられるか確認が必要です
- 返済方法の選択肢:ライフスタイルに合った返済方法が選べることも重要です
- 追加借入のしやすさ:必要な時にすぐ借りられる環境かどうかも検討材料です
- 会員サービスの充実度:ポイントプログラムや優遇サービスがある金融機関もあります
カードローンの手数料は、利用方法を工夫することでほぼゼロに抑えることが可能です。自社ATMや手数料無料の提携ATM、口座振替、インターネットバンキングなどを上手に活用しましょう。契約前に手数料体系をしっかり確認し、自分の利用スタイルに合った金融機関を選ぶことが、無駄な出費を避ける第一歩となります。