
消費者金融の返済を延滞し、そのまま放置すると段階的に深刻な事態へと進行します。延滞初日から法的措置まで、時間の経過とともにリスクは確実に高まっていきます。早い段階で対応すればするほど、解決の選択肢は多くなります。
延滞発生から1週間以内の状況
返済日を過ぎると、すぐに遅延損害金が発生します。消費者金融の遅延損害金利率は年20.0%が一般的で、通常の金利よりも高く設定されています。延滞した日数分だけ、毎日遅延損害金が加算されていきます。
返済日の翌日から、携帯電話に督促の連絡が入ります。最初は「お支払いの確認が取れていません」という確認の連絡ですが、応答しないと連絡の頻度が増えていきます。この段階であれば、電話に出て事情を説明し、返済日を約束すれば大きな問題にはなりません。
延滞1週間から1ヶ月の段階
電話に出ない状態が続くと、自宅に督促状が郵送されます。家族と同居している場合、この時点で借入の事実が知られる可能性が高くなります。督促状には返済期限と延滞金額が明記され、早急な入金を求める内容が記載されています。
この時期になると、職場への連絡も検討されます。消費者金融は原則として職場へ直接連絡することを避けますが、本人と連絡が取れない場合は、在籍確認時に登録した勤務先に電話がかかることがあります。
| 延滞期間 | 消費者金融の対応 | 利用者への影響 |
|---|---|---|
| 1日~7日 | 携帯電話への督促 | 遅延損害金の発生 |
| 1週間~1ヶ月 | 自宅への督促状送付 | 家族に知られるリスク |
| 1ヶ月~2ヶ月 | 勤務先への連絡、催告書送付 | 新規借入の停止 |
| 2ヶ月~3ヶ月 | 一括返済の請求 | 信用情報に異動情報登録 |
| 3ヶ月以上 | 法的手続きの開始 | 強制執行、給与差押えの可能性 |
延滞2ヶ月を超えた場合の深刻な影響
延滞が61日以上、または3ヶ月以上続くと、信用情報機関に「異動」という情報が登録されます。これはいわゆるブラックリストに載った状態で、この情報は完済後5年間記録として残ります。
異動情報が登録されると、新規のクレジットカード作成、他社での借入、住宅ローンや自動車ローンの審査がほぼ通らなくなります。携帯電話の分割払いも利用できなくなるため、生活に大きな支障をきたします。
放置することで発生する金銭的損失
遅延損害金は年20.0%の利率で日割り計算されます。例えば、10万円の返済を延滞した場合、1日あたり約55円、1ヶ月で約1,644円の遅延損害金が発生します。延滞期間が長引くほど、返済総額は膨らんでいきます。
元金に加えて通常の利息と遅延損害金の両方が請求されるため、返済額は想像以上に増加します。早期に対応すれば避けられた出費が、放置することで大きな負担になります。
一括返済請求による負担
延滞が2ヶ月から3ヶ月続くと、消費者金融は残債務の一括返済を請求します。分割払いの権利を失い、借入残高の全額を即座に支払うよう求められます。数十万円から場合によっては数百万円の一括返済は、ほとんどの方にとって対応が困難です。
一括返済に応じられない場合、次の段階として法的措置へと進みます。訴訟費用や弁護士費用も加算され、返済総額はさらに増えることになります。
法的措置に至った場合の具体的な流れ

一括返済請求にも応じない場合、消費者金融は裁判所を通じて支払督促を申し立てます。裁判所から「特別送達」という郵便で支払督促が届き、2週間以内に異議申立てをしない場合、強制執行が可能になります。
支払督促を無視すると、債権者は強制執行の手続きに入ります。この段階まで進むと、給与や預金口座、財産の差押えが現実のものとなります。
給与差押えの実態
強制執行が認められると、勤務先へ差押え通知が送られ、給与の一部が直接債権者へ支払われます。給与の差押えは手取り額の4分の1まで、または手取り額から33万円を引いた金額のいずれか多い方が対象となります。
給与差押えは勤務先に借金の事実が知られることを意味します。法律上、差押えを理由に解雇することはできませんが、職場での立場が悪くなる可能性は否定できません。
財産差押えの範囲
給与だけでなく、預金口座や自動車、不動産なども差押えの対象になります。生活に最低限必要な家財道具は差押え禁止財産として保護されますが、価値のある財産は競売にかけられ、返済に充当されます。
- 銀行口座の預金全額
- 自動車(生活必需品でない場合)
- 不動産や土地
- 高額な貴金属や美術品
延滞を放置せず解決する方法
延滞に気づいたら、すぐに借入先の消費者金融へ連絡しましょう。返済が遅れる理由と、いつなら返済できるかを正直に伝えます。誠意ある対応をすれば、返済日の延期や返済額の調整に応じてもらえる可能性があります。
連絡を入れることで督促の頻度も抑えられ、精神的な負担が軽減されます。放置するよりも、自分から連絡する方がはるかに良い印象を与えます。
部分的な返済でも必ず入金する
全額の返済が難しい場合でも、可能な範囲で入金しましょう。少額でも返済の意思を示すことが重要です。利息分だけでも支払えば、元金への遅延損害金の発生を一時的に抑えられる場合があります。
「全額払えないから何もしない」という選択は最悪の結果を招きます。払える金額だけでも入金し、残りについては相談することが解決への第一歩です。
専門家に相談して債務整理を検討
自力での返済が困難な状況であれば、弁護士や司法書士に相談して債務整理を検討しましょう。任意整理を行えば将来の利息がカットされ、元金のみを分割で返済する計画を立てられます。
専門家が介入した時点で、消費者金融からの督促は止まります。法律で、弁護士や司法書士が代理人になった場合、直接本人への連絡が禁止されているためです。精神的に追い詰められている状況から解放されます。
無料相談窓口の活用
費用が心配で専門家への相談をためらう方は、まず無料相談を利用しましょう。法テラス、日本クレジットカウンセリング協会、各地の消費生活センターなどで、無料の相談を受け付けています。
- 法テラス:収入が一定以下なら無料相談と費用立替が利用可能
- 日本クレジットカウンセリング協会:電話やメールで無料相談
- 消費生活センター:地域の相談窓口で助言を受けられる
- 弁護士会・司法書士会:初回無料相談を実施している事務所も多い
どの窓口も秘密は厳守され、相談したことが周囲に知られることはありません。一人で悩まず、専門家の力を借りることが早期解決につながります。