カードローンを一括返済すると、予定されていた将来の利息を支払わずに済むため、総返済額を大幅に減らすことができます。まとまった資金が手に入ったときや、ボーナスを活用できる場合は、一括返済を検討する価値が十分にあります。
カードローンの利息は日割り計算が基本です。借入残高がある期間が短くなれば、その分だけ利息負担も軽くなります。分割で返済を続けるよりも、早期に完済することで数万円から数十万円の利息を節約できるケースも珍しくありません。
一括返済と分割返済の利息比較
具体的な数字で一括返済のメリットを確認しましょう。以下は50万円を年利15.0%で借りた場合の比較例です。
| 返済方法 | 返済期間 | 毎月返済額 | 総返済額 | 利息合計 |
|---|---|---|---|---|
| 分割返済(36回) | 3年 | 約17,000円 | 約612,000円 | 約112,000円 |
| 分割返済(24回) | 2年 | 約24,000円 | 約576,000円 | 約76,000円 |
| 6ヶ月後に一括返済 | 6ヶ月 | - | 約537,000円 | 約37,000円 |
| 即時一括返済 | 即時 | - | 500,000円 | 0円 |
このように、早く完済するほど利息負担は軽減されます。借入期間が長くなればなるほど、利息の総額は膨らんでいくため、資金に余裕があるなら一括返済が合理的な選択です。
一括返済の手続き方法
一括返済を実行するには、カードローン会社ごとに定められた手続きを踏む必要があります。通常の返済とは異なる流れになるため、事前に確認しておきましょう。
返済額の確認と連絡
一括返済する際は、まずカードローン会社に連絡して正確な返済額を確認します。利息は日割り計算されるため、返済日によって金額が変動するからです。会員ページで確認できる残高は、あくまで参考値であり、実際の返済額とは異なる場合があります。
コールセンターに電話するか、会員サイトから問い合わせて、返済予定日における正確な返済額を教えてもらってください。その際、返済方法についても確認しておくとスムーズです。カードローン会社によって、以下のような返済方法が用意されています。
- ATMからの入金(提携ATMや専用ATM)
- 銀行振込(指定口座への振込)
- インターネットバンキングでの送金
- 店頭窓口での現金払い
- 自動引き落とし口座への追加入金
カードローン会社によっては、一部の返済方法しか一括返済に対応していない場合もあります。手数料の有無も含めて、最適な方法を選択してください。
返済実行と完済証明
返済額を入金したら、数日以内に完済処理が完了します。完済後は、念のため残高がゼロになっていることを会員ページや電話で確認しましょう。
完済証明書が必要な場合は、カードローン会社に申請してください。住宅ローンの審査など、他のローンを組む際に完済の証明を求められることがあります。多くのカードローン会社では無料で発行してもらえますが、発行までに1週間から2週間程度かかることもあります。
契約解除の判断
一括返済後も、カードローンの契約自体は残り続けるのが一般的です。契約が残っていれば、また必要になったときにすぐ利用できますが、使わない予定なら解約することも検討してください。
契約が残っていると、住宅ローンなど他のローンの審査で「借入可能枠」として評価され、不利に働く可能性があります。今後カードローンを使う予定がないなら、完済と同時に解約手続きをしておくと安心です。
一括返済を実行する前の確認事項
一括返済は利息削減に有効ですが、実行前にいくつか確認すべきポイントがあります。メリットばかりに目を向けず、総合的に判断することが大切です。
手元資金を残せるか
一括返済によって手元資金がほとんどなくなってしまうなら、慎重に検討すべきです。急な出費や収入減少に対応できる生活防衛資金は、最低でも生活費の3ヶ月分程度は確保しておきたいところです。
一括返済後に再び資金が必要になり、また借入をするようでは本末転倒です。完済できる資金があっても、全額を返済に充てるのではなく、一部を手元に残しておく選択肢も考えてください。部分的な繰上返済でも、利息削減の効果は得られます。
違約金や手数料の有無
ほとんどのカードローンでは、一括返済による違約金は発生しません。これは貸金業法で過度な違約金が制限されているためです。ただし、返済方法によっては振込手数料やATM手数料がかかる場合があります。
特に銀行振込で返済する場合、振込手数料は利用者負担となるのが一般的です。数百円の手数料であっても、事前に確認しておけば想定外の出費を避けられます。
他の借入やローンとの優先順位
複数の借入がある場合は、どれから優先的に返済すべきか検討してください。基本的には金利が高いものから返済するのが合理的です。カードローンは比較的金利が高い傾向にあるため、優先順位は高くなります。
ただし、住宅ローンなど低金利のローンを繰上返済するよりも、カードローンの完済を優先した方が利息削減効果は大きくなります。全体の返済戦略を考えながら、最も効果的な方法を選択してください。
一括返済後の信用情報への影響
カードローンを一括返済すると、信用情報にも良い影響を与えます。完済の記録は信用情報機関に登録され、今後のローン審査でプラス評価につながる可能性があります。
借入残高の減少
一括返済によって借入残高がゼロになれば、信用情報上の負債額も減少します。これは他のローンを組む際に有利に働く要素です。住宅ローンや自動車ローンの審査では、既存の借入額が返済能力の判断材料となるため、完済しておくことで審査通過の可能性が高まります。
クレジットカードの利用限度額増額を検討している場合も、カードローンの完済は好材料となります。カードローン会社は総合的な与信枠を管理しているため、不要な借入を整理しておくことが重要です。
契約情報の取り扱い
完済後も契約を残す場合、信用情報には「契約あり・残高ゼロ」という状態で記録されます。これ自体は問題ありませんが、使っていないカードローン契約が複数あると、審査で「お金に困っている」という印象を与える可能性もあります。
解約すれば契約情報も一定期間後に削除されます。今後使う予定がないなら、完済と同時に解約することで、信用情報をすっきりさせることができます。ただし、解約後に再度利用したくなった場合は、改めて審査を受ける必要があることも理解しておいてください。
返済実績の評価
期日通りに返済を続けてきた履歴は、信用情報に良好な記録として残ります。一括返済はその良好な記録を完結させる行為であり、「完済した実績」として評価されます。将来的に別のローンを組む際、この実績が信用の証明となるのです。
カードローンの一括返済は、利息負担の軽減だけでなく、精神的な負担からの解放にもつながります。借金がなくなることで、家計管理もシンプルになり、将来の計画も立てやすくなるでしょう。資金に余裕があるなら、前向きに検討してみてください。