
カードローンの返済方法として最も一般的なのが、指定口座からの自動引き落としです。返済忘れを防げる便利な仕組みですが、残高不足による延滞のリスクもあります。
自動引き落としの詳細な仕組みと、トラブルを避けるための管理方法を理解しておきましょう。
自動引き落としの基本的な仕組み
自動引き落としは、毎月の返済日に自動的に返済額を口座から引き落とす仕組みです。利用者が手続きをしなくても返済が完了するため、払い忘れによる延滞を防げます。
引き落とし日と引き落とし時間
引き落とし日は契約時に指定した日付となり、多くのカードローン会社では複数の候補日から選択できます。一般的な引き落とし日の選択肢は5日、10日、15日、20日、25日、月末などです。給与日の直後を返済日に設定すると、残高不足のリスクを減らせます。
引き落としが実行される時間はカードローン会社によって異なります。以下の表は主な引き落としタイミングです。
| タイプ | 引き落とし時間 | 当日入金での対応 |
|---|---|---|
| 銀行系カードローン | 営業開始時(朝9時前後) | 可能な場合あり |
| 消費者金融 | 深夜0時~早朝 | 午前中の入金で対応可能な場合あり |
| 信販会社 | 営業開始時~午前中 | カードローン会社により異なる |
引き落とし額の決まり方
毎月の引き落とし額は、契約時に選択した返済方式によって決定されます。元利定額返済方式では毎月一定額が引き落とされ、その中に元金と利息が含まれます。
残高スライド元利定額返済方式では借入残高に応じて毎月の返済額が変動する仕組みで、追加借入をすると返済額が増加するため注意が必要です。
自動引き落としの設定と変更方法

自動引き落としを確実に機能させるには、正しい設定が不可欠です。設定方法と変更手続きについて解説します。
初回設定の手順
カードローン契約時に引き落とし口座を指定します。銀行系カードローンの場合、その銀行の口座を返済口座として指定することが一般的です。消費者金融や信販会社の場合は、利用者が保有する任意の金融機関口座を指定できます。
設定に必要な情報は以下の通りです。
- 金融機関名と支店名
- 口座種別(普通預金または当座預金)
- 口座番号
- 口座名義人(契約者本人の口座に限る)
オンライン契約の場合、口座情報を入力して本人確認を行います。店舗や郵送での契約の場合、通帳のコピーやキャッシュカードの提示が必要となることがあります。
引き落とし日や口座の変更
返済日や引き落とし口座は契約後も変更できます。変更したい場合、カードローン会社の会員ページから手続きするか、コールセンターに連絡して変更届を請求します。
変更手続きには通常1~2ヶ月程度かかるため、次回の返済日には間に合わない可能性があります。変更が完了するまでは、元の口座に返済資金を用意しておく必要があります。
自動引き落としで注意すべきポイント
便利な自動引き落としですが、いくつかの注意点を押さえておかないとトラブルにつながります。
残高不足による引き落とし失敗
引き落とし日に口座残高が不足していると、引き落としは実行されず延滞扱いとなります。1円でも不足していれば引き落としは行われないため、余裕を持った残高管理が必要です。
給与振込口座を引き落とし口座にしている場合でも、給与日と返済日のタイミングによっては残高不足になる可能性があります。
残高不足を防ぐための具体策として、返済日の3日前には必ず残高を確認する、銀行アプリの残高通知機能を設定する、返済専用口座を作成して給与日に返済額を移動させるといった方法が効果的です。
複数のカードローンを利用している場合
複数のカードローンを契約していると、それぞれの返済日が異なることがあります。返済日が月に何度もあると管理が複雑になり、残高不足のリスクが高まります。可能であれば各カードローンの返済日を同じ日に統一することで、管理しやすくなります。
また返済日ごとに必要な金額を一覧表にまとめ、スマートフォンのカレンダーに登録しておくと確実です。
口座凍結や解約時の対応
引き落とし口座を解約すると、自動引き落としは停止されます。口座を変更または解約する際は、必ず事前にカードローン会社に連絡し、新しい引き落とし口座を設定しましょう。連絡なく口座を解約すると、返済ができない状態となり延滞扱いになります。
また詐欺被害や不正利用により銀行口座が凍結された場合も、引き落としは実行されません。口座凍結の可能性がある場合は、すぐにカードローン会社に連絡し、別の返済方法を相談する必要があります。
自動引き落とし以外の返済方法
状況によっては、自動引き落とし以外の返済方法を選択または併用することも可能です。
随時返済(繰り上げ返済)の活用
毎月の自動引き落としに加えて、余裕がある月には追加で返済することができます。随時返済は全額が元金の返済に充てられるため、利息負担を減らし完済までの期間を短縮できます。
ATMからの入金やインターネットバンキングでの振込により、いつでも追加返済が可能です。
ATM返済や振込返済への変更
自動引き落としを停止し、毎月自分で返済する方法に変更することもできます。この方法では返済日までにATMや振込で入金する必要があります。自分で管理できる人には問題ありませんが、払い忘れのリスクがあるため、通知機能を活用するなどの対策が必要です。